素人には危険な作業

特殊清掃用の薬品も使用する

特殊清掃

特殊現場は危険

遺体が何日か放置されていたような特殊現場は生身の身体で立ち入ることが危険な、まさに特殊な空間になっています。 遺体から滲み出ている血液や体液に触ると感染症を起こす危険もありますし、ハエが発生しているようなら部屋中を飛び回る小バエを吸いこんでしまう危険もあります。 そんな中で清掃をするわけですから、特殊清掃のスタッフは感染対策として防護服を着てマスクも着用、健康を害する恐れからしっかり身を守って作業をします。 そこまでの装備を素人が準備するのは難しく、やはり専門のプロだけのことはあるといえるでしょう。 たとえ依頼者から報酬を貰えると言ってもそのために作業員の命を危険に晒すわけにはいかず、危険な作業から身を守るためにはその報酬の中から必要な装備を調達せねばならないのです。 また装備さえあれば誰にでも特殊清掃が出来るほど単純なものでもありません。 それなりの研修を受けて過酷な環境で清掃をすることができるよう鍛えられ、あらゆる状況に対応できるよう教育を受けた作業員だからこそ、必要な道具を選んで特殊現場の清掃をすることが可能なのです。 特殊現場というものをほとんどの人は見た事がないでしょうが、もし一般の方がその場に入ったとしたら、まず異臭にやられてしまいます。 日常生活では嗅ぐことの無い、とても強烈な悪臭の充満した部屋に足を踏み入れると、しばらくは食事が喉を通らなくなってしまうでしょう。 心の強い人でなくてもその場で胃の中身が逆流してしまうかもしれませんし、数日は気分が悪くて食欲もなくなってしまいます。 身体的にも精神的にもとても危険な場所だということを忘れないでください。

どんな現場でも依頼できるのか

特殊清掃業者がいくら専門のプロ集団といっても、どんな場所での作業もお任せ出来るのかは心配なところでしょう。 実際に特殊現場を見て業者へ依頼の電話をするとき、初めてそのような場を見た人は「こんなに酷い状況はきっとレアケースでプロでも手に負えないのではないか」と考えてしまうかもしれません。 それほどに初めて特殊現場や火災現場を見たときに受ける衝撃は大きいもので、元通りに原状復帰させるのは不可能ではないかと思ってしまうものなのです。 ですが経験を積んでいる特殊清掃業者に対処できない現場はなく、どのような環境になっていようともプロの手際で後始末をしてくれます。 出来ない事を挙げるとすれば、法定伝染病や検死等のため司法行政により立ち入りが制限されている場所での作業くらいでしょう。 物理的に立ち入ることができない、というケースはほとんどなく、ここに立ち入ることは禁止されています、という制限さえなければたいがいの現場で作業を進めることの可能な経験と知識を持っています。 つまりそこでの作業が法に触れない限り、立ち入ることに制限がされていない限りは依頼主の要望通りに特殊現場の清掃をすることが可能なのです。 作業を行うことが不法侵入になるなら依頼を受けてもらうことは出来ませんが、そこに問題がなければ一戸建てであろうとマンションであろうとアパートの一室であろうとデザイナーズマンションの踊り場であろうと、どんな場所のどんな汚染された現場でも対応可能です。 「こんだけ散らかってると無理ですね」なんて言う業者はありませんので、心配なさらず依頼をすればよいでしょう。

どんな人が依頼するのか

特殊清掃を依頼するのはどのような人なのでしょうか。 必要が無ければこのようなことに関わりたがる人はいませんので、その状況に困って業者を頼ろうとする人が依頼をするわけです。 具体的には腐乱死体や通常死でない遺体が原因で汚染された部屋や家屋、ゴミ屋敷の関係者が依頼をするケースが多いようです。 関係者となるのは故人の親族や保証人、または家屋の家主や管理会社で、遺体が発見されるのが死後数日経過していた場合に業者の手を借りて清掃を行います。 言い換えればどのような人が依頼するのかいうより、どのような場合に依頼するか、と考えたほうがしっくりくるかもしれません。 自殺により散乱した部屋、事故死や孤独死など損傷遺体が原因で汚染された部屋、あるいはゴミ屋敷をなんとかしたいという場合に依頼することになります。 なんとかしたいと考えても一般人が自力で出来る清掃では特殊現場の清掃を完璧に行うことはほぼ不可能で、健康を害する恐れもあります。 床一面に血がべっとりと付着していたり、長い人生の中で一度も嗅いだ事の無いような初めての悪臭を体験したり、ドアを開けたら小バエが大量に飛び出してきたりと、掃除を始める前に心が挫けそうになる劣悪な環境での作業は素人には無理でしょう。 メンタル面ではなんとかなったとしても、清掃や消毒にも専門の技術を使わなければ原状復帰させることは難しく、業者の知識がなければ有効な消毒がされなかったり異臭が残ってしまったり、全てを解決することは出来ないでしょう。 まとめると特殊現場の後始末をしなければならない人は、ほとんどのケースにおいて特殊清掃業者に依頼しているということです。